【受験生必見!】正しく知っておきたい「高校入試」の種類とポイントを塾講師が解説(公立・私立)
高校入学試験の種類について
■高校入試の概要
まず、熊本県の高校入試については『私立高校』『国公立高校』に分かれます。各都道府県によって、私立高校と国公立高校の人気は異なりますが、熊本県においては公立高校の方に人気が集まっており、特に「四高」と呼ばれる「熊本高校」「済々黌高校」「第二高校」「第一高校」は、熊本県全域から試験を受ける生徒さんが集まってくる、いわゆる人気校となっています。
県立高校の入試については、前期(特色)選抜と、後期(一般)選抜に分かれています。
私立高校入試については、公立高校を受験する生徒さんは「特待生・奨学生入試」と「一般生入試」の2度の受検が可能です。まず私立高校の特待生・奨学生入試を受検し、合格したら公立高校の後期選抜入試に向けてラストスパートをかけていく、という生徒さんが多いです。
一般生入試は2日に分けて実施され,高校ごとに受験日が振り分けられています。奨学・特待生は1校のみ、一般生は最大2校の受検が可能となっています。
公立高校の高校入学者選抜について
公立高校入試は、前期(特色)選抜と後期(一般)選抜に分かれています。それぞれ試験の趣旨や実施学科などに違いがありますので、違いを抑えておきましょう。
■前期(特色)選抜とは
熊本県の公立高校の前期(特色)選抜は、各高校の普通科のコース、専門学科および総合学科のうち、高校が希望する学科・コースで実施されます。
前期(特色)選抜の大きな特徴として、学力検査は実施されません。
試験で実施されるものとして、面接、作文、実技検査、実験、自己表現などから各高校が独自に行う検査によって合格者を決定します。
熊本県教育委員会によると、前期(特色)選抜の趣旨として
●能力・適正や意欲・関心、努力等の成果などの優れた面を積極的に評価する
●実施する学校においては、それぞれの特色に応じた選抜を行うことで、特色化を積極的に進める
とされています。そのため選抜方法は高校ごとに様々で、面接、小論文、実技検査、実験、自己表現、総合的な学習時間の成果発表などが実施されます。
前期(特色)選抜の募集人員は、熊本市内、熊本市外でそれぞれ上限数が異なっています。熊本市外の高校に関しては70%以内、熊本市内の高校は定員の50%以内の範囲で高校ごとに決められます。
現時点では、前期選抜は全ての公立高校で行われているのではなく、一部の公立高校の特殊な学科・コースのみで行われており、その試験も各校独自で作られています。
「四高」では、第二高校の理数科・美術科、第一高校の普通科英語コースなどで前期(特色)選抜を受験することができます。
前期(特色)選抜の入試日は、令和4年1月24日(月)となります。
■後期(一般)選抜とは
後期(一般)選抜は、全日制課程及び定時制課程の全学科・コースで実施されます。公立高校を希望する多くの生徒さんが受ける入試となります。例年2月下旬から3月上旬に行なわれます。
実施科目は国語・理科・英語・社会・数学の5教科で、英語のリスニングテストも英語の検査時間内に実施されます。
英語と数学においては、やや平易な問題が入っている「A問題」とやや難しい問題が入っている「B問題」の2種類があり、四高をはじめとする熊本市の公立高校の多くはB問題を採用します。
後期(一般)選抜の入試日は、令和4年2月24日(木)、25日(金)の2日間になります。
■公立高校の二次募集について
公立高校の二次募集については、各高校の中で定員に満たなかった学科・コースに、若干名の募集があります。人気のある四高において二次募集はほぼない状況となっています。
ちなみに、新型コロナウィルス感染症等やむを得ない理由により、後期(一般)選抜の学力検査を受検することができなかった生徒を対象に追検査が3月14日(月)に行われます。なお、追検査の実施科目は、国語・英語・数学の3教科となります。
公立高校入試についてのポイント!
熊本県の公立高校の入試問題は年度毎に大きく変わるというよりは、似たような問題が毎年出てくる傾向が見られます。したがって、必ず出る単元やどんな内容の問題が出るかは過去の入試問題などを遡ることで傾向と対策をしっかりとることは可能です。
例えば国語なら「古典」についての問題は、毎年必ず出題されています。各学科の傾向をしっかり把握し、繰り返し問題を解くことで、目指す高校に合格できる学力を手に入れることは十分に可能です。
私たち開成ゼミナールは、熊高・済々黌・第一校・第二の「四高」合格を目指す学習塾として、熊本県の公立高校入試問題の出題傾向を熟知しております。過去の出題傾向、内容とパターン、対策方法などを目標の高校と、生徒さんの学力に合わせて丁寧かつ徹底した学習指導を行っております。
私立高校の私立高校入試について
■特待生・奨学生入試とは
特待生・奨学生の入試は、私立高校のうち1校のみを選び受検することができます。
例えば真和高校であればA・B・C、学園大付属高校であればS・A・Bと、合格ランクを分けて、成績の優秀な生徒を振り分けていき、上のランクになるほど授業料免除などの特典があります。最上位のランクは、同レベルの公立高校を最上位で合格できる学力の生徒でも、取れるかどうかのレベルとなります。
私立高校入試は高校ごとに独自の問題を作成しています。したがって内容や難易度も、高校ごとで大きく異なります。
特待生・奨学生入試の不合格者は、後日一般志願者として同じ高校、または他の高校を改めて受験することができます。近年においては、私立高校の一般生入試は受けずに、この特待生・奨学生入試で私立高校を確定し、そこから公立高校入試にむけてラストスパートをかける生徒さんが多くなってきています。
私立高校特待生・奨学生入試の入試日は、令和4年1月19日(水)です。
■専願生・推薦生入試とは
私立高校の専願生・推薦生入試は、その私立高校に合格したら必ず入学することを前提に行う入試となります。そのため、合格ラインは特待生・奨学生入試よりも下がり、合格しやすい入試となります。ただし専願生・推薦生入試は、通常の学科試験の他に面接などを行う高校もあります。
私立高校専願生・推薦生入試日は、特待生・奨学生入試と同日の令和4年1月19日(水)です。
■一般生入試とは
一般生入試は2日に分けて行われます。高校ごとで2日の内のどちらかの日に振り分けられています。よって1日目と2日目で、それぞれ別の私立高校を受検することが可能となっており、最大で2校受験することができます。
一般生入試は、特待生・奨学生入試と問題レベルはさほど変わりませんが、合格ラインは高校ごとで異なります。
私立高校一般生入試の入試日は下記のように振り分けられています。
令和4年2月15日(火)
・鎮西・真和・尚絅・熊本信愛女学院・熊本中央・熊本国府,・熊本マリスト学園・東海大学付属熊本星翔・文徳
令和4年2月16日(水)
・九州学院・ルーテル学院・開新・慶誠・熊本学園大学付属
■私立高校の二次募集について
私立高校においても、定員に満たなかった学科・コースでは二次募集が行われます。二次募集に係る試験の実施期日は令和4年3月9日(水)(公立高等学校後期試験合格発表の2日後に当たる日)となっており、出願資格は私立の高等学校(大学入学資格が付与されている専修学校高等課程の学科を含みます。)に合格していない人になります。
私立高校入試についてのポイント!
現在の熊本県の私立高校は、どの高校の入試問題においても満点を取るのは難しいレベルの問題が入れてあります。よって「ひたすら高い点数を目指す」というよりも、「いかに合格ラインの正答率が取れる学力を養うか」という考え方が良いかもしれません。
各科目においては問題の取捨選択が必要になります。解ける問題については、公立高校入試レベルの問題をしっかり解くことができれば問題ないかと思います。ただし、自分が受ける予定の私立高校の過去問題は過去2年分程度はこなしておくと良いでしょう。実戦を想定して、時間を計って解いてみる必要があります。
過去問題については、私立高校の説明会に参加をして入手するか、書店などで購入すると良いでしょう。