ベテラン塾講師が教える!成績を伸ばす方法【数学編】

はじめに

数学という科目は実に面白い科目です。数学は普段の生活の中で役に立つ場面も多いですし、物事を整理して考える力を磨くことができます。

また数学は解法などの知識の組み合わせにより、論理的に答えを導き出していきますが、この論理的な考え方が身につくと、国語の作文などで文章の構成を考える際などにも役立ちます。

数学という科目は「努力を裏切らない」教科です。問題を解けば解くほど確実に身につき、力になりますので、意欲的に数学に取り組んでもらえたらと思います。

でも「数学が苦手・嫌い」という生徒さんもいらっしゃるでしょう。もちろん人間ですから、得意な科目、逆に苦手な科目というものがあっても特段おかしなことではありません。

ただ、高校受験に関して言えるのは「全ての科目で高い点数を取ること」が最上だと思います。得意な科目は、さらに点数が取れるように力を伸ばせば良いですし、苦手な科目は「なぜ苦手なのか」「何が苦手なのか」を理解して、一つ一つ苦手な要素を克服することで点数を取れるようになれば良いのです。

今回は塾講師として長年、多くの生徒さんの学習を指導してきた立場から、「数学の成績が上がらない・・・」「どうすれば数学のテストの点数が取れるようになるの?」と悩んでいる生徒さん、ご両親の方へ解決のヒントになるようなポイントを、解説しています。

なお、前回は『国語』の成績を伸ばす方法について触れております。前回の記事をまだお読みで無い方は、ぜひご一読ください。

ベテラン塾講師が教える!成績を伸ばす方法【国語編】を読む

数学の成績が上がらない理由はなぜなのか?

【ポイント】問題の考え方や基本の部分を疎かにしてしまい、結果、問題が解けないことで苦手意識を生むことが多い

まず、「なぜ数学の成績が上がらないのか」について触れていきます。

「数学にはセンスも必要」という人もいらっしゃいます。数学的センスとは、直感的なひらめきや、短時間でどう解けば良いかの道筋が浮かぶことなどを意味するのだと思います。


確かに私も、数学という科目には確かにセンスが必要とされる場面もあるとは思います。しかし、ほとんどの問題がパターン暗記でありますし、特に自分自身で定理や原理を証明して進むようなケースに至っては、ほとんどないと言って良いでしょう。

数学の問題を解くには、計算力などもちろん必要ですが、文章題を解くための読解力などもやはり必要になります。

数学の成績が上がらないのは、「こうだから」と一言で説明するのが難しいくらいに色々と原因が考えられます。数学の成績が安定している場合は、ある意味どういう解法を選ぼうが、ユニークな解き方で問題を解こうが、正解に辿り着ければ特に問題はないと思います。

数学の成績が伸び悩んでいる生徒さんには、問題を解くに当たっての考え方が雑であったり、基本の部分を疎かにしていたり、他の教科を優先して科目ごとの学習のバランスが偏ってしまっている、ということが傾向として多いように感じます。

そして、「問題が解けなかった」「問題を解くのにすごく時間が掛かった」などの経験から苦手意識が生まれ、それがやる気や集中力を欠いてしまうという悪循環に陥っている、というケースもよく見受けられます。

数学の成績を上げるための重要なポイント

【ポイント】「数字に強くなる」ことが大切。基本的な問題から丁寧に粘り強く取り組んでいくことで着実に力をつける!

それでは、数学の成績を上げるための重要なポイントをについてご説明します。

数学の成績を上げるためのポイントはズバリ『数字に強くなること』この一言に尽きます。


数字に強くなるためには、まず計算を丁寧かつ集中して行うところから始めましょう。計算自体は「出来て当たり前」であって、決して難しいことではありません。しかし「早く正確に計算する」とになると、急に難易度は高くなります。かつ複雑な計算になると、うっかり計算間違いをしてしまう、ということも多々あります。

早く正しく計算できるようになるためのコツは、「簡単に計算するための工夫ができるかを考えること」です。何も考えずにただ計算をするのではなく、「もっと簡単に計算できないか」と目と頭を凝らしてみる。それを繰り返すうちに数式の処理能力が上がり、難しい計算が出てきても、「こうすれば簡単に計算できる」というのが自然と分かるようになってきます。

次に、解法のパターンを徹底的に覚え込むことが必要です。もちろん解法パターンをたくさん理解さえしていれば、どんな問題でも解けるいうわけではありませんが、理解している解法パターンは多いければ多いに越したことはないと断言できます。

そのためにも「基本問題をしっかり考えて解くこと」が重要です。基本問題は数学の学力を上げるために最も大切な要素の塊です。また勉強していくに当たっては、「数多く問題を解くこと」に重きを置くのではなく、「解法パターンを多く理解していくこと」を重視して勉強していくと良いでしょう。

なぜなら重要なのは「本番でどれだけ多くの種類の問題を解くことができるか」だからです。

テストや入試の問題の中には、俗にいう難問・奇問が紛れ込んでいること当然あります。しかし、出題される問題のほとんどは「解法パターンをそのまま使って解く問題」か「解法パターンを応用して解く問題」ですので、いろんな種類の問題を解けるようになることを意識して、取り組んでいくのがオススメです。

そして、実践的な問題練習に取り組む際には、まずはわかるまで粘り抜く問題を解いてみましょう。壁に当たってしまった時でも決して諦めたりはせず、時間の許す限り考え抜いてみてください。

そして、問題を解き終わったら、じっくりと答え合わせを行い、もし答えが間違っている場合には、その問題の解法を丁寧に再現性があるようにまとめてください。これが「間違い直し」のベストな方法だと言えます。

また上記の学習内容をより確実に、よりスピーディーに行えるのが、私たち開成ゼミナールの授業や問題集であり、そして学習環境であると考えております。

数学の成績が上がる学習法

【ポイント】数学の学習法は「基本問題から実践問題まで反復練習」することによる『思考力の強化』が大切!段階的に問題のレベルを上げながら思考力を高めよう。

次に、数学の成績が上がる学習法についてです。数学の成績を上げるためには、前項で説明した通りそのままなのですが、

1:しっかり考えて基本問題に取り組み、問題を解くための基本要素を覚える
2:解法の基本パターンをしっかり覚え込む
3:実践的な練習問題をわかるまで粘り強く解いてみる
4:答え合わせ・間違い直しをじっくり行い、次に間違わない為の解き方を理解する

この一連の流れの繰り返し、すなわち『反復学習』が肝であるといっても過言ではありません。

同じ問題を繰り返し解く形でも全く構いません。まず問題集やテキストを「1冊分パーフェクトに解ける」ようになるまで、ひたすら頑張ってみるのがオススメです。そこまで出来れば、きっと見違えるように成績が上がるはずですよ。

数学という科目は「基本の要素」と「解法パターン」を応用して論理的に考えて問題を解くことが大切です。よく『思考力』などと言いますが、この思考力が数学における鍵となります。

思考力というものは「人に教えてもらうもの」ではありません。基本的に自分の頭で考えること以外では身に付かないものです。

思考力をアップさせるためのコツは、難しい問題にいきなり挑むのではなく、まさに一歩一歩の精神で、段階的に難しい問題に挑戦していくことです。

自分の思考力に対して、問題の内容があまりにも難しすぎると、問題を解くための考えを進めることができず、結果として思考力が伸びなくなってしまいます。

自分の思考力に合った問題から段階的に解いていくことで思考力を伸ばしていくと良いでしょう。

開成ゼミナールの数学の学習の特徴

【ポイント】経験・情熱・愛情MAXの教師が生徒さん一人ひとりの為に全力指導!

開成ゼミナールでは、熊高・済々黌・第二・第一高合格を目指す生徒さんのために、各教科ごとの学習メソッドを確立しております。またトップレベルの講師陣が、生徒さん一人ひとりに親身にかつ熱意を持って学習指導を行なっております。

論より証拠として、実際に私たちの授業を受けて頂いて実感いただくのが一番分かりやすいのですが、ここでは開成ゼミナールの数学の学習における特徴について触れてみたいと思います。

開成ゼミナールの数学の教師は、『子どもたちのためならいくらでも』と言って憚らない、「経験に情熱と愛情を掛けて、さらに二乗した」ような人物です。たとえ日曜であろうが休館日の金曜日であろうが、時間のある限り、生徒さんの質問を受け付け、躓いている問題のポイントを解説します。

しかし「全部わかりません」という質問をするのだけは『御法度』です。生徒さんには「どこがわからない」のか「どこでつまずいているのか」を、自分自身で考えて、きちんと把握した上で質問をしてもらうようにしています。

その上で、生徒さんの個々の実力にきちんと合わせて、「ヒントを与えれば大丈夫」なのか「基本の徹底を指示する」のか「気持ちの良い別解を提示する」のかなどを判断・選択して指導します。もちろん生徒さんの志望する高校に合わせて、取り組むべき問題のレベルの指示なども怠りません。

数学の成績を上げるためにご家族が協力できること

【ポイント】数学は「一歩一歩の努力が実を結びやすい」科目。頑張る姿を見守り「安心を与える」だけでも生徒さんには大きなサポートになります。

日々目標に向かって頑張る子供さんをサポートしたい!と、ご家族の皆さんはお思いだと思います。私は受験は「生徒さん本人」「教師」「ご家族」が三位一体で乗り越えるべきだと考えております。


さて、「家族として、子どもをどのようにサポートしていけばいいのか?」というご相談を頂くことがあります。長年塾講師をしていても、これについて一概に言い切るのは正直難しいのです。

生徒さんの性格、家族構成、家庭の環境…ご家族のあり方は実に様々、まさに千差万別です。その中で真剣にお子さんのことを思って、ご家族の皆さんがあれこれと考え、話し、行動することに、正解であっても間違いはないのではないか?とさえ思うこともあります。

例えば「一緒にわからない問題を解いてみる」というのも良いでしょう。問題を解くことで喜びが湧いて、やる気が出る場合もあります。逆に「口を出さずに見守る」方が、お子様の性格などを考慮した上で、有効な方法の場合ももちろんあります。

一つだけ断言できることといえば、お子様にとって最も大切で、もっとも心強いのは「家族がしっかりと自分のことを見てくれている」と感じることでしょう。

この場合の「見る」とは、《勉強をしているorしていない》《成績が上がったor下がった》などの「評価」を意味するのではなく、目をかけ、気にかけているという「安心感を与える」ためのものです。

長年塾講師として、数多くの生徒さん、またそのご家族の方々と向き合ってきましたが、やはりご家族の「評価」よりも、ご家族が与える「安心感」によってモチベーションを強く保ち、目標の高校に見事合格してきた生徒さんの姿を、幾度も目の当たりにしてきました。

一緒に目標に辿り着くための役割として、私たち塾講師が学習指導や最適な負荷は請け負います。ですので、ご家庭ではしっかりと心のケアや体調管理などに力を入れていただければ、私たちにとっても、とても有難いことです。

今回のまとめ

何度も繰り返しますが、数学という教科は努力をした分だけ、その結果が表れやすい科目です。基本を決して疎かにせず、じっくりコツコツと取り組んでいきましょう。

数学の基礎的な要素や解法パターンをしっかりを頭の中にインプットした上で、多くの実践問題に時間を割いてトライし、様々な形の問題に慣れながら思考力・応用力を磨いていくと良いでしょう。

もし、実践問題を解いている途中で、どうしても躓いてしまう部分があった場合には、自分なりに「なぜ解けないのか」という分析を必ず行いましょう。突き詰めると、ほぼ間違いなく基礎的な要素が結びついているはずです。そこに気づいたら、もう一度その分野の復習をすることも大切です。

問題を解き終わった後は答え合わせと間違い直しまでしっかり行いましょう。特に間違い直しはじっくりと時間をかけるべきです。「どこをどう間違えたのか」という所から「次はどうすれば間違えなくなるか」を理解し、インプットするための大切な時間です。「次は多分解けるはず」のような曖昧な気持ちで省略することのないようにしましょう。

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