読書の秋!本を読むことの大切さとそのメリットを解説

はじめに

読書の秋になりました。皆さんは最近読書をしていますか?「小学生の頃は読んでいたけど…」「読書感想文を書かなければいけない時だけ…」という生徒さんも多いのではないでしょうか?

確かに、毎日の授業に部活、習い事や塾の勉強など、現代の学生さんは忙しいと思います。なかなかゆっくり本を読んでいる時間も作れない人も多いでしょう。

誰でも1回くらいは、ご両親や先生から「本を読みなさい」と言われたことがあるのではないでしょうか。そこには、本を読んで知識や教養を身につけて欲しいという想いあってのことと思います。

昨今は小・中・高校生の読書率の低下や「活字離れ」が問題視されています。スマホやタブレット、世の中の便利なサービスの普及もあってか、活字をじっくりと読む、という機会そのものが失われつつあるのかもしれません。

しかし、長年塾講師として生徒を指導してきた立場の意見としては「読書はすべきである」と考えます。読書には日常生活だけでなく、受験にも生かせるメリットがちゃんとあるからです!

そこで、今回は受験勉強のためにもなる、「読書の大切さとメリット」についてをテーマにしたいと思います。

読書をすることによるメリットは?

それではいきなり本題です。実際に読書をすることでどんなメリットがあるのでしょう?そこから触れていきたいと思います。

ずばり、読書をすることのメリットは「高校受験に必要な能力を伸ばすことができる」ことです。読書によって力を伸ばせる、高校受験に活かせる能力は、「語彙力」「読解力」「速読力」「想像力」などたくさんあります。どれも、受験に合格するためには必要不可欠な能力です。

次に、それぞれの能力がどのように受験にとって大切で、受験に活かすことができるのか説明していきます。

読書で伸ばせる能力1:語彙力

読書をすることで伸ばせる能力の一つ目は『語彙力』です。語彙力とは「知っている言葉の量」のことを指します。どれだけ多くの言葉を知っているか、ということになります。また、言葉を適切に選び、使いこなす能力でもあります。

小中学生においては、難しい言葉を沢山知っていることよりも、ひとつの事象に対していくつもの表現を当てはめられる「言葉のバリエーション」が豊かなこと、同義語・対義語を数多く知っていることが大切です。

語彙を増やすことは文章の読解だけではなく、国語全体、さらには他教科にも高い効果が見込めます。知らない言葉ばかりが並んでいる文章は、読んでいても分かりにくくて当然です。語彙力は国語以外の悩みも解決してくれる、受験においてとても重要な能力です。

語彙力を高めるためには、幅広いジャンルの本を読んでみることです。同じ小説というジャンルでも歴史小説もあれば推理小説もありますし、小学生でも読みやすいライトノベルも良いでしょう。ジャンルやカテゴリが変われば、その文章の中で使われる言葉や表現は大きく変わります。様々なスタイルの文章に触れ、言葉を知ることです。

意味のわからない言葉が見つかったら辞書を引き意味を確かめ、できれば同義語・類義語・対義語なども調べ、ノートなどに書いてみるとインプットとアウトプットを一緒に行えるので、語彙力アップの効果が高くなります。

読書で伸ばせる能力2:読解力

読書をすることで伸ばせる能力の2つ目は『読解力』です。読解力はわかりやすく言えば『書かれている文章を読んで、内容を正確に理解する能力」です。

当たり前ですが受験では問題を解きます。問題は問題文という形で出題されます。これは国語や英語などの語学だけでなく、全ての科目において同じです。問題文は日本語で出題されることがほとんどです。

その問題を解くためには、問題文を読み、問題の内容を理解するところからがスタートとなります。つまり、読解力は受験において、「この問題では何を問われているのか」を正確に汲み取り、正確に答える為に必要な能力なのです。

読解力が十分でないと、国語の長い文章や、数学の文章問題で、何度も問題を読み返す必要が出てくることがあります。つまり読解力が無いと問題を理解することに時間がかかってしまい、その分だけ問題を解く時間を削られてしまうということです。

読解力が身につけば、一度で問題の意図や長文の主旨を汲み取ることができるようになるため、長い問題文を何度も読み返したりすることなく、正確に問題を理解することができます。

読解力を身につけ、伸ばしていくためには「何度も文章を読むこと」が必要です。何度も繰り返して読んでいるうちに、だんだんと何が書いてあるのか、意味や主旨が自然と頭の中で理解できる様になっていきます。「読書百遍義自ら見る」とはよく行ったものです。

読書で伸ばせる能力3:速読力

読書をすることで伸ばせる能力の3つ目は『速読力』です。速読力は読んで字の通りですが、文章を速く読む能力です。この文章を読む速さというも、受験では必要な能力です。

実際に普段の学校の授業で速読を求められることはほとんどありませんし、私生活においても特に速読力が必要とされる場面はほとんどないかと思います。しかし、受験の場合は「制限時間」があります。つまり、受験とは「制限時間内にどれだけ問題を正確に多く解けるか」にかかっているのです。問題をより多く解くためには、長文の問題も正確に速く読み、理解する能力が必要になるのです。

この速読力は、残念ながら一朝一夕では身に付けることが不可能です。とにかく頻繁に、毎日でも読書をすることで、自然と文章を読むスピードが上がっていきます。

私たち塾講師の目から見ても、やはり読書が好きで、長い文章量を読んだ経験が多い生徒さんと、読書自体の経験が少ない生徒さんとでは、文章を読むスピードは全然違っています。

読書で伸ばせる能力4:想像力

読書をすることで伸ばせる能力の4つ目は『想像力』です。一般的な「想像力」というと、どちらかというと何かの場面をイメージすることや、新しいことを思いつくことなどが浮かびますが、受験における想像力とは「この先の展開を予測する能力」です。

想像力は文章にたくさん接することで、「この先がどんな展開になるのか」という予想がある程度立てられるようになります。

この想像力、きちんと身に付けることができれば、どの科目でも役立てることができます。

例えば国語や英語の長文では、想像力によって先の展開が予測できたりしますし、数学では、文章問題で説明していることをイメージして、図式化したりすることができるようになります。

想像力を鍛えるには、読書をするにあたってただ読むだけではなく、文章の中で気になった部分、疑問に思ったことなどを、一度深く考えてみたり、文章に書かれている状況を自分の立場に置き換えて状況をイメージしたり、予測してみると良いでしょう。

このようなトレーニングを行うことで、文章の展開を先読みすることができるようになったり、自分が理解しやすい状況に置き換えたりする力が身についてきます。

どんな時間に本を読むのがよいのか

読書のためのまとまった時間をとる、というのが難しい生徒さんもいることでしょう。ですので基本的には、「スキマの時間」で読むところから始めていくのが良いでしょう。

学校の休み時間などもよいでしょうし、勉強と勉強の合間の気分転換として、本を少し読み進める、などでも良いかもしれません。読書の時間を作るポイントは、できる限り毎日同じ時間に固定すること、そして毎日20分~30分程度でもいいので、必ず読書をすることです。こうすることで読書の習慣が身につく様になります。

今は電子書籍もあるが、紙の本で読書するのがオススメ

以前は書籍といえば紙の本が一般的でしたが、最近ではタブレットやスマートフォンなどの電子書籍でも本を読むことができるようになりました。それぞれに良い部分があり、また個人によっても読みやすさは違ってくると思います。

タブレットやスマートフォンで読むことのできる電子書籍は、別に本を持ち歩く必要もないため、便利な点は魅力的です。ですので、紙の書籍と電子書籍のどちらで読書をするのかは、自分が使いやすい媒体を選ぶ、という考え方で良いと思います。

個人的におすすめなのは紙の本で読書するほうです。その理由として、読書をするとき重要なのは「疑問に思ったことを深く考える」ことにあるからです。考えるときには、前後の関連のある文章を本中から探したりする必要がありますが、電子書籍だとページを遡ったりなどを行う時などのページ移動がやや難しい感があります。

紙の本の場合ですと、自分がどれくらい読み進めたかは把握できるので、気になった箇所を探す際にみつけやすく、本を読みながら考える、という作業がしやすくなります。

なにより紙の本が魅力的なのは紙のページを手に取り、めくっていく感触、読み進めている実感を手触りと重さで感じることができる点です。電子書籍も便利ですが、ぜひ紙の書籍でも読書をしていただきたいな、と思います。

【Point!】本とともにぜひ「新聞」も読んでみよう

可能であれば、読書だけでなく新聞も読んでみましょう。テレビやネットのニュースではなく新聞であることが重要です。例えばテレビのニュースは映像と音声でニュースを知ることができます。目と耳を使うのでインプットの効果は高めですが、ニュースは途中で止めることはできませんつまり「立ち止まって考える時間」がないのです。読書や新聞はその時間を作ることができます。考えながらインプットをするためには、やはり読むことが大切なのです。

また、ネットのニュースはテキストで読むことは可能ですが、ネット特有の「フェイク」など情報の信憑性に乏しいニュースも溢れています。どの情報が正しいのかを取捨選択する情報リテラシー能力が必要ですので、ひとまずはアナログに新聞を読むところから始めましょう。

中学生ともなれば、一通り漢字の学習は終えているので、新聞が読むことができるはずです。

記事の中には、まだ知らない言葉や使ったことのない表現も出てくるかと思いますが、新聞を読むための最低限の語学力が身についているはずです。

新聞は中立・客観的な視点から、標準的な言葉で書かれていますし、新聞はテレビと異なり、自分のペースで読み進めることができます。もしわからないところがあれば、飛ばすこともできます。読むのを一旦やめて、読み返したり辞書で調べたりすることもできます。

もちろん初めから新聞のすべての記事を読む必要はなく、自分のレベルや興味関心に合わせて記事も選べるため、意外とハードルは高くはないはずです。

天気の情報でも好きな芸能関係からでもOKです。新聞の片隅にある小さな記事を、1つ読んでみるところからでもスタートしてみましょう。

特に興味のある記事なら「読みたい」という気持ちがあるため、難しい言葉が登場しても、意外に読みすすめることができるものです。もしわからない言葉が出てきたときは、辞書を使って調べてみましょう語彙力の向上につながります。

そうやって新聞を調べながら読み進めることで、だんだん語彙力や読解力が身につきます。慣れてくれば、知らぬ間に速読力も向上していることでしょう。そうなれば読む記事を2つ、3つと増やしていきましょう。

今回のまとめ

いかがでしたでしょうか。今回は読書をすることのメリットや、受験に必要な能力を伸ばすための読書のポイントなどについて触れてみました。

実際に勉強や部活で忙しく、「読書している暇なんてない!」という生徒さんもいることでしょう。しかし、読書は勉強や部活の様に「よし、やるぞ!」と気合を入れてやらなくてもできることです。休憩や息抜きとして読書する感覚でも十分です。ぜひ読書の習慣も身につけていただきたいと思います。毎日読書をすることで受験に必要な力を身につけることができるはずです。

毎日忙しくても、少しでも読書を続けていく努力が、着実に自分の力になるはずなので、受験に向けて読書をしてみて欲しいと思います。

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