【受験生応援】勉強疲れを感じた時に!塾講師おすすめの勉強疲れ対策をコッソリ伝授!
はじめに
学習塾の講師という仕事柄、日々学習に励んでいる生徒の皆さんの姿を見ると、心の底から「頑張れ!」と応援したくなります。その努力が実を結んでくれることを切に願ってやみません。
ところで「勉強しないといけないのに集中できない」「勉強しすぎて、体がきつい」などの経験をしたことはありませんか?これらの事象は俗にいう「勉強疲れ」により、起こってしまうものです。
テスト前や受験前のような重要な時期には、食事時間、休憩時間、睡眠時間を削ってでも「少しでも長く勉強したい」と思う生徒さんもいることでしょう。その頑張りたい!という気持ちは大切ですが、学習という活動は身体と精神をフルに使って行っています。あまりに長い時間、連続で続けていれば、どうしても疲れを感じてしまうものです。自分の学習意欲を高いレベルでキープするためには、自己のコンディションにもしっかり注意し、適度な休憩、リフレッシュを取り入れたりしながら「勉強疲れ」の状態にならないようにすることも重要です。
今回は「勉強疲れ」の症状や原因とその解消方法などを「塾講師おすすめの勉強疲れ対策」としてお伝えしていきたいと思います。
「勉強疲れ」によってどのような症状が出るの?
まず、勉強疲れとは何なのでしょう?どのような症状が起きるのでしょう?そこから触れていきたいと思います。
勉強疲れとは読んで字の如く「勉強によって疲れてしまった状態」です。勉強疲れは大きく分けると「体の疲れ」「脳=目の疲れ」「心の疲れ」の3つがあります。この3つの疲れのいずれか、または複数の疲れにより、学習への妨げが起きているような状態です。
1.体の疲れ
【ポイント】長時間同じ姿勢を続けることで血行が悪くなり、疲労や凝り、痛みが出ることも
はじめに「体の疲れ」についてです。長時間勉強をしていると、体の疲れを感じることがあると思います。勉強時にはイスに座り、長時間同じ姿勢で黙々と取り組む生徒さんが多いと思いますが、これが勉強疲れの原因となることがあります。
集中して勉強するためには、脳にたくさんのエネルギーを送る必要があります。そのためには、スムーズな血液の循環が欠かせません。しかし、椅子にずっと座りっぱなしのように、同じ姿勢を長時間続けると、体の血流が滞りやすくなります。
人間は血流によって酸素を体全体に供給していますので、血流が滞ることで全身に十分な酸素が行き渡らず、疲労感として現れることがあります。また、血流が悪くなることで体内に老廃物や疲労物質が蓄積されると、疲労感ばかりか体の部位に凝りや痛みといった症状を及ぼすこともあります。特に凝りや痛みが現れることが多いのは腰や背中などです。
2.脳=目の疲れ
【ポイント】脳の疲れは目の疲れ。目の疲れは目だけでなく、慢性的な身体の不調を起こすことも!
次は「脳=目の疲れ」についてです。思いっきり勉強した後に「脳が疲れた~!」と感じたことのある生徒さんも多いでしょう。実は「脳が疲れた」と感じる時、本当に疲れているのは「脳」ではなく「目」だということです。
勉強をする時には教科書、参考書、問題集などを「見て」勉強をしています。このとき人間が一番動かしているのは「目」です。目によって視覚的な情報を得て、脳で情報を処理しています。
つまり勉強において、目はとても重要な役割を担っています。教科書を見て、問題集を見て…と勉強は無意識に目を酷使しているといってよいかもしれません。
目は視神経の束により脳と直結されています。長時間、目から大量の情報を視神経を経由して脳に送り込むことによる「視神経の疲れ」と、目で物を見る時に眼球を動かしている目の周りの「筋肉の疲れ」が、「目の疲れ」として脳の疲れのように感じる原因であることが多いようです。
目が疲れている状態のときに起こる症状は多岐にわたります。目に現れる主な症状は目の充血や目のかすみ、瞼の痙攣、視界が眩しく感じる、涙が出るなどが挙げられます。
また、体に現れる症状には疲労感、集中力の低下、頭痛、めまい、吐き気などが挙げられます。
これらの症状が軽度な「疲れ目」であれば一時的に目や体を休養させれば回復できますが、重症化するとこれらの症状が長期化、慢性化することがあります。この状態を「眼精疲労」といいます。
3.心の疲れ
【ポイント】病は気から。精神的な不調により体調面に悪影響をきたすこともある!
最後に「心の疲れ」についてです。勉強に励む生徒さんだけに限らず、社会生活を営んでいる現代人であれば誰でも、何かしらのストレスを抱えているのではないでしょうか。
ストレスという言葉からはマイナスのイメージを受けますが、適度な範囲のストレスであれば目標の達成や課題のクリアへの原動力になることも往々にしてあります。
しかし重度のストレスがのしかかったり、長い期間ストレスを感じ続けることで、「心の疲れ」を引き起こすことがあります。
心の疲れが起こる主な原因は「自律神経の乱れ」といわれます。自律神経とは循環器や消化器、呼吸器などの動きを制御する役割の神経です。体を動かしている時や昼間に活発になる交感神経と、安静時や夜に活発になる副交感神経があります。不規則な生活やストレスによって自律神経の働きが乱れると、さまざまな不調が現われます。
症状としては「全くやる気がおきない」「イライラ、怒りっぽくなる」「急に不安を感じたりする」など、自分で自分をコントロールしづらい状態になります。また「食欲がわかない、または食べすぎる」「眠れない、または頻繁に眠くなる」など体調面に影響が出ることもあります。
「勉強疲れかも?」と思ったらどうすればいい?
【ポイント】「軽い運動」「休息」「栄養補給」「睡眠」などでコンディションの回復をはかろう!
どうも疲れが・・・。と勉強疲れを感じる場合には、そのまま無理して勉強を進めるのは得策とはいえません。疲れの状態の時には、人間の思考力、判断力、集中力などは低下しますので、無理に勉強し続けるのは逆に非効率的であるといえます。軽い運動や休息、食事や睡眠などによって、コンディションを回復させ、スッキリした状態から勉強を再開する方が捗ることも多いはずです。ここでは勉強疲れを感じた時、どのような対処方法があるかを挙げていきます。
1.軽い運動や散歩をする
長時間同じ姿勢で勉強していると、徐々に疲れが溜まりやすくなりますので、一旦勉強の手を止めて、軽く体を動かしてみましょう。
椅子に座ったまま伸びをしても良いでしょうし、首や肩を軽く回してみたり、肩を上下に動かすなどの簡単な動作でもストレッチの効果はあります。
また、少し時間をとって散歩に出てみるのもおすすめです。歩くことにより、適度に全身を動かすことができ、また、外の空気を吸い、外の景色を見ることで気分転換にもなります。
2.深呼吸をする
長時間同じ姿勢を続けた時やストレスを感じているときは呼吸が浅くなり、脳に酸素が届きにくくなることがあります。脳が酸素不足の時には集中力などが低下したり、頭痛や目のかすみが起きることもありますので、時々、ゆっくり数回深呼吸してみると効果的です。
深呼吸により、脳に酸素が届きやすくなるのと同時に、自律神経である副交感神経を刺激することで、心身のリラックス効果も期待できます。
3.目を休める
目を休めることもコンディション回復においては重要です。例えば、ただ数分間目を閉じておくだけでも目の休息には効果がありますし、目薬を刺したり、市販のホットアイマスク(ない場合はお湯で濡らしたタオルをしぼったものでも代用可)を目に当てるのも良いでしょう。目の周りを暖めることで、目の周りの筋肉の緊張をほぐし、リラックスできます。
大事なのは目を休めること=目を使わないようにすることです。休憩だからとスマホやテレビをみてしまうと、逆に目を使うことになり、目を休めることにはなりませんので注意してください。
4.仮眠と睡眠
疲労感と同時に眠気を感じる時には、仮眠によって体を休ませるのも効果的です。眠気を覚ます方法はいろいろありますが、「寝たい」という欲求を根本から解消することはできないので、多少時間をとってでも仮眠をした方がその後集中できるようになり、結果効率的な勉強につながることも多いでしょう。一般的には15分から20分程度、長くても30分くらいが適当です。
もし、重たい疲労感や眠気を感じている状態の場合は仮眠ではなくきちんとした睡眠をとりましょう。
一回睡眠をしっかりとって、体全体を回復させる方が、翌日以降に肉体疲労を残しにくくなり、結果効率的な勉強につながるはずです。「夜遅くまで勉強したい、けど眠い・・」などの場合には一度寝て、翌日早起きして勉強など気持ちを切り替えるのも良いと思います。
5.栄養補給、特に糖分を摂る
勉強中には、体内のエネルギーを消費して脳を働かせているので、脳の栄養不足は疲労感や眠気となって現れることがあります。
脳にとってのエネルギー源は糖分ですので、チョコレート、飴などのお菓子類や、ご飯やパンなどの炭水化物から糖分を摂取することで、糖分を補給させると良いでしょう。
長い時間勉強をする予定の時には「食事」または「軽い間食」の時間のスケジュールに組み込んでおくのがおすすめです。「腹が減っては戰はできぬ」です。
ただし、食べ過ぎてしまうと満腹感から眠気を起こしたりすることもありますので「適度な量を摂ること」を心がけましょう。
6.一旦勉強から離れて気分転換する
最後に、ストレスやプレッシャーから「やる気が出ない」「集中できない」など心の疲れを感じている場合には「一度勉強から離れてみる」のも効果的な場合があります。「勉強をやめていいの⁉︎」という声も聞こえてきそうですが、これはあくまで「前向きに勉強に取り組むため」の手段です。
やる気が出ない、集中できない時は心が「後ろ向きの状態」ですので、何らかの気分転換によって「よし、この後はしっかり勉強に取り組もう!」と前向きな気持ちになって勉強を再開する方が格段に効率が良くなることもあるからです。
具体的に何をすれば良いか、というものは特にありません。テレビを観たければ観るのもよいでしょうし、友達とLINEがしたいのならすればよいと思います。「気の晴れること、楽しいこと」をすることで気分転換をはかりましょう。
ここで大切なのは「気分転換の後はちゃんと勉強する」と自分に約束をすることです。楽しいことをすると、どうしても楽しいことの方を続けたくなるものです。前向きな気持ちになって、改めて勉強に取り組むための気分転換ですから、ダラダラと流されて勉強の意欲を無くしてしまっては本末転倒です。くれぐれも注意しましょう。
勉強疲れしにくくなるための方法はある?
【ポイント】生徒さんも「体が資本」。ちょっとのコツやポイントで疲れにくい体を保てます。
どんな人でも長時間勉強したり、働いたりすれば疲れてしまいます。疲れた場合には回復を図る必要がありますが、そもそも理想的なのは体が「疲れにくい」ことではないでしょうか。
勉強時に疲れにくくするためのコツは簡単、かつシンプルな方法で十分に効果があります。
次は、勉強で疲れにくくするためのコツやポイントを解説します。
1.基本は「規則正しい生活」
まずは基本として「規則正しい生活」を心がけることです。特に食事や睡眠時間などの心身に直接的に影響するものはしっかり時間をとるようにするべきだと思います。
食事においては間を抜いたり、間食だけを行ったりすることなく、三食きちんと取りましょう。できれば、ご家族と一緒に食事をして、会話なども行えばリフレッシュにもなることでしょう。脳のエネルギー源のブドウ糖を摂取するため、お米などの炭水化物はしっかり摂りましょう。
食事のポイントは「ビタミン B」「ビタミンC」もしっかり摂取することです。これらのビタミンが体内に不足すると、集中力の低下や目の疲れが起きやすくなります。
ビタミンBは豚肉や納豆などから、ビタミンCは野菜や果物などから摂ることができますので、これらの食材を使った、バランスの良い食事メニューが最適でしょう。
睡眠においては、十分な睡眠時間を確保することが望ましいです。勉強の後、寝る前についスマホを触ったり、漫画を読みたくなるかもしれませんが、きちんと体を休めることができる習慣を身につけることが疲れにくい体を作るためには欠かせない要素となります。
人間は睡眠中に、学習内容を記憶に定着させるメカニズムを持っていると言われています。睡眠時間が不足しては定着できる記憶の量も少なくなるということになります。結果的にせっかく勉強したことを覚えきれていない、ということにもなりかねません。学習効果を高めるためにも、十分な睡眠は必要だということを認識しておきましょう。
2.勉強中の姿勢などにも気をつけよう
勉強中は机に前のめりの状態になりやすくなります。この体勢を続けていると首や背中、肩や腰に負荷がかかり、体の疲れが起きやすくなります。また、目が参考書やノートとの距離が近くなると、視力に悪影響を及ぼす恐れもあります。
勉強中には疲れにくい正しい姿勢を心がけ、つい前のめりになってしまった時は、合間に小休止を挟んで、また正しい姿勢にもどして勉強を再開すると良いでしょう。
ちなみに勉強時の正しい姿勢は
●まず椅子に深く座り膝を揃える
●机と体の間は「握りこぶしひとつ分」程度空けておく
●膝下を床に垂直に下ろすようにする(膝は90度に曲げることを意識する)
ことで、正しく美しい姿勢になります。慣れるまでは意識して正しい姿勢を心がけましょう。
3.適切なスケジュール設定と適度な休憩時間の設定
長時間勉強する、と決めた時についつい行ってしまうことが「ぶっ通しで勉強する」ことです。これまでの記事を読めば十分理解していただいていると思いますが、集中力を維持するためには適度な休憩もやはり大切なことです。
人間の集中力にも限界があり、最長で90分くらいまでが本当に集中できる時間と言われています。小中学校の授業や塾の講習、大学の講義・・いずれも90分以内が多いのにもきちんと根拠があるのです。
「ぶっ通しで3〜4時間くらいなら大丈夫!」と思う人もいらっしゃるでしょうし、全く不可能であるとは言えません。しかし問題は「疲労の残り方」にあります。ノンストップで長時間脳をフル稼働させた場合には、適度に休憩を挟みながら脳を働かせた場合より疲労が強くなり、回復にも時間を要するようになり、翌日などに残りやすくなるという研究の結果も出ています。
疲労の蓄積を抑える観点から考えても、長時間勉強をする場合においては、60分程度〜長くても90分勉強したら、一旦休憩をすると良いと考えられます。
また、1日のスケジュールを時間帯によってきちんと設定し、その中に休憩時間を確保していくと、学習する内容を予定に沿って行うことで「何をすれば良いのか」頭の整理がつき、勉強に集中しやすくなりますし、「ここは集中、その後休憩」と学習にメリハリがつくのでおすすめです。
まとめ
今回の記事はいかがでしたでしょうか。人間誰しも体を動かしたり、頭を使ったりすれば疲れるのはごくごく自然のことです。大切なのは疲れをそのまま放置せずに、その都度きちんと体から取り除いていくことや、それ以前に疲れにくくなるように心がけることです。
「健全なる精神は健全なる身体に宿る」という言葉もあります。自身の体調管理には十分留意しながら、効率的な学習に励んでいただきたいと思います。
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